自由制作研究2
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このニュースレターは、様々なものを制作し、制作することそれ自体を考える【おかふじりんたろう】が、毎月1日と15日にお届けする、制作日誌です。
「創造性」をテーマに、素材や道具との連関の話、はたまた身体の制作まで、話題は多岐にわたります。
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自由制作研究──2023年9月1日号
■目次
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… 1. 最近の制作
… 2. 身体運用
… 3. 今後の自由制作の予定
… 4.ご案内
… 5.感想・質問
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1. 最近の制作
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少しでも時間があれば、何かを作りたいおかふじ。いろいろなものを作っていく中で、新しく知ったことや考えたことなどをお伝えします。
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ここ数日は、ULMRとしてのアルバム制作に勤しんでいました。音源を作るにあたり、意外に時間のかかる工程として、最後の微調整があります。
普段ぼくは、モニターイヤホンをしながらDAWソフト上で音源を完成させていくわけですが、昨今は音楽を聴く環境の多様化が進んでいます。ですので、モニターイヤホンに加えて、スマホのスピーカー、小型のBluetoothスピーカー、安価なイヤホン、カーオーディオ、業務用スピーカー、といったぼくの持ちうるすべての再生デバイスを使用して、何度もアルバムを聴き直し、微調整するという工程に、どうしても一定の時間を奪われてしまいます。
アナログメインの時代であれば、レコードとCDで別バージョンのリミックスをしていたようですが、今はストリーミングサービス上に1つのデジタルデータがまずあって、それにアクセスし再生するデバイスが人によって千差万別という状況なので、「スマホのスピーカーで聴いてもある程度大丈夫だし、高級なヘッドホンで聴いても大丈夫」のような、ある程度汎用性を持たせた形でリミックスしなければなりません。
「うーん、もうちょっと中音域を削った方がスマホスピーカーには優しいかな」といった、最後の微調整を経ることで、楽曲に愛着が湧いてきます。
たしか、昔見たドキュメンタリーかなにかで、カニエ・ウェストは大きなコンサートスタジアムに前乗りし、リハーサルしたあとに「そのスタジアムの反響感」に合わせて、翌日のライブ用にトラックをわざわざリミックスし直していました。今でもリミックスするときは、そのとき見たカニエ・ウェストの姿を思い出します。
ところで、このように音楽体験は、音楽それ自体とは別に、音楽を聴く環境もまた重要な要素です。たとえば、ジャズとアルコール、アシッドテクノやアシッドハウスとLSD、ヒップホップと大麻、Lo-Fiとカフェカルチャーのように、飲食物と呼応する形で音楽が聴かれることがよくあります。
また、日本においては、カラオケカルチャーによって誰もが感情移入して歌いやすいように、キャッチーなメロディが強化され、歌詞は「どこかにいるけど、実は誰でもない」という、最大公約数としての「私」「君」が多用され、抽象的なメッセージソングへと変貌していきました。他にも、日本では家同士の距離が近く爆音が出せないため、イヤホンカルチャーと手を取り合った日本のアンビエントシーンは、独自のポジションを獲得しています。
こういった音楽とその環境の関係性を考えていくと、新しい音楽を作ろうと思ったら、実は新しい環境を作る必要があるのではないかという気もしてきます。
というわけで、軽トラを買って移動式のモバイルスタジオを作ろうと何ヶ月か前から準備中なのですが、ついでに移動式の茶室みたいなのも作って、オーディオシステムも整備し、お茶でも飲みながら「自己と対話する音楽」を作ったら面白いんじゃないかと思いましたので、いずれやってみる所存です。
余談ですが、数年前に小倉で、かなり美味しくて値段も手頃な素晴らしいイタリアンレストランを発見したのですが、その店内に流れていたのがたぶん有線ラジオ放送で、ひたすらヒットチャートが流れてきてうんざりした記憶があります。もちろん店主の趣味を否定する気はないのですが、せっかく内装もイタリアを意識した素敵な感じだっただけに、「空間演出としてどうなの?」と強烈な違和感を覚えました。
そういえば、山口市の懐石和食屋に行ったときも、琴や三味線で「春の海」的なものがひたすら流れていて、「うーん、これはこれでベタすぎるなあ」と思った記憶が今蘇ってきました。
逆に昨年、秋吉台芸術村で現代アートのインスタレーション会場にうっすら流れていたアンビエントには「お!」と思いました。
「センスが良い」とされるだけでなく「世界観がある」と呼ばれる場所は、ベタ過ぎず外し過ぎない絶妙なチョイスの音楽が流れている、というのがぼくの持論です。
空間演出というと、多くの人が内装や照明のことしか考えていないと思うので、このニュースレター読者の中に、場を運営されている方がいれば、ぜひぜひ音楽にこだわっていただきたいですし、様々な場所に足を運ぶ際には「どんな音が流れているか」に意識を向けてほしいなと思います。なにより、音を中心に場所を見ていくと楽しいですよ!
2. 身体運用
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「有給休暇」という概念が存在しないフリーランスにとって、文字通り体が資本。というわけで、日々「制作の土台である身体をどう運用するか」を意識しているおかふじが身をもって調査・実験したレポートをお届けします。当然、身体は人それぞれ違いますし、健康にまつわる情報は玉石混交ですので、あくまで試行錯誤の「ひとつのサンプル」としてお読みください。
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1ヶ月半前くらいから、これまで主食だった白米を発芽玄米に切り替え、1ヶ月前からはさらに発芽玄米から玄米へと切り替えました。なんでも、白米よりも玄米の方が血糖値の上昇が緩やかだったり、ビタミンや食物繊維が遥かに豊富らしいのです。
また、ぼくは生野菜が好物というわけではなく、「毎日両手いっぱいの野菜を食べましょう」的な食の啓発運動に「大変だし嫌だなぁ」と常々思っていたのですが、玄米は各ビタミンが豊富なため「白米を前提とした適切な野菜の量」よりも、少ない野菜の量で、必要な栄養素を摂取できるらしいのです。
というわけで、とりあえず玄米食生活を始めてみたのですが、味に対する違和感もなく「これでいろんな栄養が取れてるなら最高だなあ」という感じでムシャムシャ玄米生活が1ヶ月続いています。玄米は白米に比べて消化に時間がかかるので、人によってはお腹の調子が悪くなる場合もあるそうですが、今のところ快調に過ごせています。
また、品種によるのかもしれませんが、ぼくの買っている玄米の場合は、「浸水」と言って炊く前に玄米を30分程度水に付けてから炊かないといけないのですが、夜に炊飯器をセットしておいて、朝炊けるようにしておけば、なにも問題ないので、今のところそういった手間暇の部分も、煩わしくありません。
それから、ぼくは中学生のときから自分で防災バッグを買ったり、十徳ナイフを集めたりと、防災グッズや防災について調べるのが好きなのですが、防災という観点から見ても玄米は優れていると思います。というのも、災害で冷蔵庫が使えなくなると、野菜などの保存は難しいので、栄養バランスが崩れがちです。そこで準栄養食とまで呼ばれる玄米を備蓄しておけば、栄養不足による体調不良の発生を、白米に比べて遅らせることができるのではないかと思います。
ただし、ぼくは献立をガチガチに徹底管理したい「健康オタク」なわけではなく、誰かとの食事の際は、特に栄養などは気にせず、その場その場で食べたいものを食べるようにしています。本当はハンバーグやラーメンを食べたいのに、無理してオーガニックでヘルシーな食事を四六時中続けている方が、心的なストレスが発生していて不健康だと思うからです。
また、健康に関する情報は日々更新されているので、ぼくにとって「最新の科学に即しているか」というのはそこまで重要な指標ではなく、大切なのは「ランダム性」だと思います。なぜなら、現時点で科学的に正しい徹底した献立を構築しそれを食べていても、数年後に「あの食材を食べすぎると、体にとってこんなよくないことがわかった」というのはザラにありますので、それならば適度に様々な食材をランダムに口にした方が、体にとっての思わぬ効用や、まだ顕在化していない「同じものを食べ続けることのリスク」を回避することができると思っています。
3. 今後の自由制作の予定
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今後の制作予定をお話しします。考えたり言ってるだけで、取り掛かりに数年かかったり、内容が変化する可能性も十分あり得るので、話半分でどうぞ。
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・リューターに加えて、白棒や青棒といった研磨剤も手に入れたので、どんどん彫金アクセサリー作りをしていきたいと思います。相変わらず緋銅は成功していませんが、銅本来のキレイなピンク色になるまで研磨する技術は身についてきているので、その「進んでいる感じ」が最近は楽しいです。
・MCベストのラップMVですが、とりあえず適当に映像は撮ったものの、おそらく素材不足なので、映像を自動生成するAIなどを調べて使ってみたいと思います。
・去年の今ごろはTシャツをデザインして作りましたが、そろそろ秋なので適当にプリントデザインだけして、長袖のパーカーとかも自分用に1着作っておきたいところです。
・数日前に筆ペンを買ってみたところぼくには大ヒットで、じゃんじゃん水墨画を量産できています。そういえば先週、山口県立萩美術館の浮世絵の展覧会に行ったのですが、川瀬巴水の「旅みやげ」のシリーズが思いのほかよかったので、自分もいずれは出先でサラサラっと水墨で風景画を描けるようになりたいなと思いました。
…etc.
4. ご案内
ULMRより、新しいアルバムを制作しました。ディストリビューションサービスの時差の都合上、まだSpotifyやAppleMusicでは配信開始できていませんが、リンクが確定次第改めてSNSなどで告知しようと思います。ひとまず、音源の視聴とデータの購入が可能なBandcampのリンクを貼っておきます。ぜひお聴きください!好みに合うかは保証しませんが、「聴いたことのない面白い音楽」ということは保証します!特に1曲目!
5. 感想・質問などありましたら、このメールに直接ご返信いただくか、マシュマロにてお送りください。

※次回以降のニュースレターで紹介するかもしれませんので、事前にご了承のうえ、お送りください
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